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美容室独立ノウハウ

最終更新日:2021/06/25

美容室の開業には資格が必要?美容師免許だけではダメ?

美容室の開業には資格が必要?誰でもすぐに店を持てる?

長年美容師として働き、技術にも自信が持てるようになれば、そろそろ自分のお店を持ちたいと考える方は多く、私たちQANAETE(カナエテ)はそのような方々の開業サポートを行っています。

ここで注意したいのが、独立を考えたときに「美容師免許を持っていて、資金さえあればいつでもお店を開業出来るのでは?」とお考えかもしれませんが、実はそう単純な事ではありません。

美容室の規模によっては必要な資格もあり、また様々な手続きを踏んでいかなければ実現出来ないのです。ここでは、美容室の開業に必要な資格と注意点について詳しく解説していきます。

美容師免許・管理美容師の資格が必要です

美容室を開業するためには、当然美容師免許が必要です。

美容師免許は国家資格の一つで、厚生労働省指定の美容師養成施設にて所定の学科を習得し、最終的に実技試験と学科試験に合格すれば免許を取得することが出来ます。

もし1人で美容室を営業していくのなら、美容室開業も美容師免許のみで問題ないですが、自分以外にスタイリストを1名以上雇うとなると管理美容師免許が必要になってきます。

管理美容師は、美容室の衛生管理を行う目的で設置しなければいけないと法律で定められているのです。

管理美容師の概要

  1. 理容師法第11条の4により理容師である従業者の数が常時2人以上である理容所の開設者は、当該理容所を衛生的に管理させるため、理容所ごとに、管理理容師を置かなければならないとされています。
  2. 美容師法第12条の3により美容師である従業者の数が常時2人以上である美容所の開設者は、当該美容所を衛生的に管理させるため、美容所ごとに、管理美容師を置かなければならないとされています。
  3. 管理理容師及び管理美容師の資格は、それぞれ理容師の免許、美容師の免許を受けた後3年以上理容の業務、美容の業務に従事し、かつ、厚生労働大臣の定める基準に従い都道府県知事が指定した講習会の課程を修了した者でなければならないと規定されています。
  4. 講習科目(1)公衆衛生(4時間)、(2)理(美)容所の衛生管理(14時間)
  5. 講習会の実施基準等を定めた厚生労働省健康局長通知(PDF)はリンク先のとおりです。
参照元:管理理容師・管理美容師の概要(公益財団法人理容師美容師試験研修センター)

管理美容師免許の取得条件

管理美容師免許の取得条件は、以下のとおりです。

管理美容師免許の取得条件
  • 美容師免許取得後3年の実務経験があること
  • 各都道府県で実施している講習会を修了していること

管理美容師の講習会について

講習は公衆衛生について4時間、美容室の衛生管理について14時間とトータル3日間の課程となっています。ただし講習は年に2回しか開催されないため、早めに日程などについて調べておきましょう。

他店舗展開したいなら管理美容師を複数名雇う必要があります

将来的に複数の店舗を展開していく予定なら、管理美容師も数名雇う必要があります。

まずは3年以上の経験がある美容師を確保しておき、早い段階で講習会に参加して管理美容師の資格を取得して貰っておくと、次のステップにも進みやすくなります。

このことは、スタッフ育成面でも管理美容師の資格取得をすることによって「将来責任あるポジションを任せてもらえるんだ」というモチベーションになり、意識の向上が期待できます。

美容室開業のための必要な手続き

美容師免許、または必要に応じて管理美容師の免許を取得すれば、次は美容室開業のために様々な手続きを済ませていきます。

開業に必要な手続きは大きく分けて2つあります。ひとつは保健所での開業届、もうひとつは税務署での開業届です。詳しくご紹介していきましょう。

保健所で行う開業手続き

保健所に開業届を出した際に確認する内容とは?

まずは、営業を許可して貰うための美容室開設届を保健所に提出しなければいけません。

保健所に出す開設届とは、施設の名称や開設者の名前、管理美容師番号などを明記した用紙です。また開設届を提出すると同時に施設平面図や付近の見取り図、従業員の名簿や健康診断書が必要になります。

そもそも保健所の許可を得るためには様々な条件が揃っていなければならず、例えば作業室の床面積は最低でも13平米が必要になります。そして美容椅子を6台以上設置する際は、1台につき3平米の広さを追加で確保しなければいけません。

つまり13平米の作業面積であれば作業椅子は6台まで、7台設置する場合は床面積が16平米、8台の場合は19平米が必要という計算になります。

その他にも洗い場は流水式である事や、床の材質はコンクリートやタイル、リノリュームなどを使用すると決まっています。

このように、材質なども細かくチェックされますので、内装工事や設備工事が必要な場合は、工事の前に保健所へ図面を持って行って相談しておくのが賢明です。

各自治体によって規定を設けている所も多いので、アドバイスを受けながら進めていった方が間違いがなく無駄がありません。また設計内容は内装工事業者に依頼しておけば、消防に関する届け出なども代わりに済ませてくれます。ぜひ相談をしておきましょう。

保健所は衛生面の審査をしっかりと行います

美容室は消毒器具や消毒設備を設けておく必要があります。これはハサミやカミソリを使うため、出血を伴う怪我のリスクがあるためです。またカットした髪の毛は蓋付きの箱に入れなければならず汚物箱や毛髪箱も準備しておかなければいけません。

従業員の名簿には、美容師として働く人の免許番号を記載します。そして健康診断書が必要な理由は感染症予防のためです。従業員が結核や伝染性皮膚疾患を患っていないかが記載された診断書で、3ヶ月以内に発行されたものが有効となります。

全ての書類を保健所に提出した1週間後には開設検査が行われ、この検査にクリアするとようやく営業が開始出来ます。晴れて営業開始となっても油断は禁物で、保健所による立ち入り検査は随時行われます。特に衛生面のチェックは厳しいため、最初に取り決めた事は従業員に徹底させておく必要があります。

POINT

保健所で行う開業届については、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

保健所で行う「美容室の開業届け」はどんな手続きをする?

税務署で行う開業手続き

事業主として開業届を税務署に提出しておく事も忘れてはいけません。提出期限は事業開始から1ヶ月以内とされており、税務署に直接持参するか郵送で提出します。

ちなみに開業届を税務署に提出する理由は事業所得者として登録されるためで、確定申告の際は青色申告制度が利用出来るようになるからです。

もちろん開業届の提出だけで自動的に認められる訳ではなく、青色申告承認申請書を税務署に提出し、さらに複式簿記による記録があって可能になります。

最初にきっちり準備しておけば、所得控除を大きくする・損失を繰り越すなどの節税が行えるようになり、税金面で大きなメリットになります。そのため、ぜひ青色申告に取り組むことをオススメいたします。

POINT

税務署で行う開業届については、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

美容室開業時に税務署へ提出する「開業届け」とは?

決して夢ではない自分の美容室

自分のお店を開くという事は、自分の思いのまま、自由に運営が出来るという事です。

もちろん開業資金は必要ですが、3年以上の経験があり、管理美容師の免許さえ持っていれば誰もが実現出来るのです。

ただし、開業準備は細かい手続きごとが多く、お忙しい美容師のみなさまは時間調整がもっとも難しいと声を揃えます。

私たちQANAETE(カナエテ)では、開業までのすべてのステップをバックアップし、一部業務は代行もいたします。したがって、忙しい?日の中でも新規出店準備をスピーディーに進めることが可能です。

まずは是非無料相談をご利用ください。物件探しから開業までのすべてのサポートをいたします。